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2022年6月16日

■GigaCC ASP導入事例 - 大阪ガスマーケティング様


(写真左より)大阪ガスマーケティング株式会社 リビング技術部 サービスエンジニアリングチーム 

                 荒関 裕貴氏、同部 京滋リビング技術チーム 杉山 拓哉氏
 




大阪ガスマーケティングについて
より安心・快適・便利な暮らしのために、Daigasグループ(大阪ガスグループ)の一員として、家庭用顧客向け­ガス・電気の販売事業、機器販売・保守事業、リフォーム事業などを展開する大阪ガスマーケティング。
­関西エリアに約200拠点(2021年3月時点)を展開する大阪ガスサービスチェーン(以下、サービスチェーン)を­はじめ、コールセンター、ホームページなどのWebサイトを接点に、顧客一人ひとりに適した商品やサービスを­提供している。


 



― GigaCCの利用状況について教えてください。


荒関氏: 私たちが所属するリビング技術部は、家庭用ガス機器の保守全般を担当する部署となります。

実際にお客様のもとに出向いてメンテナンスや保守を行う作業は、サービスチェーンと呼ばれる代理店様に委託しており、私たちはサービスチェーン様に対する情報提供や技術支援などをしています。
GigaCCは、技術支援の一環として提供している作業手順などを収録した動画を、配信・共有するプラットフォームとして利用しています。

 

― 具体的な利用方法について教えてください。

荒関氏: 
現在、動画を提供しているのは家庭用燃料電池「エネファーム」の保守メンテナンス時の作業手順の動画になります。エネファームはIoTに対応しており、インターネット回線経由で運転状況を遠隔管理することができます。そのため、エラー発生などのトラブルが発生した場合、当社に情報が送られてきます。

受信したデータやトラブル情報に該当する作業の動画へのリンクと、必要なドキュメント(PDF)などを添付したメールが担当のサービスチェーン様へ送付されます。動画はあらかじめGigaCCにアップロードされており、メールを送付する作業はRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)によって自動化されています。
 
杉山氏: サービスチェーン様では、メールに記載されたURLをクリックすると動画を閲覧(ストリーミング再生)できます。セキュリティ(情報漏えい防止)の観点から、閲覧できるのは登録されたサービスチェーン様の会社(IPアドレス制限)のPCなどの端末、もしくは保守メンテナンス業務用にあらかじめ当社から配布しているタブレット端末となっており、タブレット端末を用いれば、作業する現場で閲覧することが可能です。

なお、動画は技術情報の流出防止のため、閲覧のみとしダウンロード(保存)はできないよう、GigaCCの設定で制限しています。

  
― 動画は何本ぐらい用意しているのでしょうか。また、動画の制作体制についても教えてください。

杉山氏: 
現在、48本の動画を用意しており、1本あたりの尺は5分から15分となります。エネファーム修理案件全体のおよそ7割を網羅しております。作業内容などの変更や追加に応じて動画のレパートリーは順次増やす予定です。作業体制は、すべて内製で対応しています。通常の技術支援業務と兼任しながら収録から編集を行っています。現在は、ノウハウを共有し、数名のワーキングメンバーで対応しています。
 




― 動画を技術支援に活用しようと考えた目的や狙いなどがあれば教えてください。


荒関氏: 
文章や図解によるドキュメントでは分かりにくかったテクニックやコツを、動画を用いることで時間や手間をかけず効率的に理解してもらい、サービスレベルの向上を図るというのが第一の目的となります。

特に「エネファーム」のように高機能な機器は、従来の機器と比べると構造やメンテナンスが複雑になっています。
ご存じない方もいるかもしれませんので、念のために説明をすると、「エネファーム」は都市ガスから水素を取り出し、空気中の酸素と反応させて発電すると同時に、発生する熱でお湯を沸かして給湯できる効率的かつ経済的な家庭用燃料電池となっています。一次エネルギーの消費量が少なく、CO2排出量も削減でき、ガス機器の遠隔操作ができる利便性に加え、停電時に自立運転を行う防災性にも優れています。

そのため、保守・メンテナンスの知識習得には多くの時間と経験が必要となり、サービスチェーン様からもより分かりやすい資料や情報の提供が求められていました。
そこで、作業手順だけでなく”コツ”や”テクニック”を視覚的に分かりやすい動画にして情報提供をすることにしました。

もちろん、これまでもドキュメントの提供をはじめ、集合教育やOJT、個別指導などを行ってきたのですが、非効率、人手不足、働き方改革の浸透といった状況に加え、コロナウイルス感染拡大の影響もあり直接的な技術伝承の機会を設けるのが難しくなったという状況が、動画の活用を推し進める上で大きな後押しとなりました。
 

― 動画作成のポイントや強みを教えてください。

杉山氏:
 動画を内製している理由として、コストの問題もありますが、やはり実際に技術指導を行っているメンバー自身が動画作成をすることで、より分かりやすいものになると考えたからです。もともと全員に編集スキルがあったわけではありませんが、YouTubeなどの情報を参考にして、複数名で対応できるようになりました。実際に作業される方と同じ視点で、動画作成ができることは利用者にとって大きなアドバンテージになると考えています。

また、メンテナンスに関わる課題は当社だけでなく、エネファームを販売する他の事業者様にも通ずる部分があると考えています。ノウハウを動画化することにより、他の事業者様にも活用いただけるツールになったと考えています。
 


― GigaCCを採用した経緯を教えてください。

荒関氏:
 サービスチェーン様にドキュメント情報を提供するポータルサイトを運営していますが、同サイト上で動画を配信するとなると配信の仕組みを追加したり、ディスク容量を増強したりする必要があります。場合によっては、サーバやシステムを更改することになり、検討からカットオーバーまで膨大なコストと時間が必要となることも想定されました。


そのため、配信も閲覧も簡単で、セキュリティが担保されており、コストや時間をかけずに動画を配信できる仕組みを構築する方法がないか、大阪ガスビジネスクリエイト株式会社(以下、大阪ガスビジネスクリエイト)に相談したところ、GigaCCによる仕組みの提案を受けました。
  

― GigaCCを採用したポイントがあれば教えてください。

荒関氏:
 GigaCCを採用した機能面でのポイントは次の通りです。

  • ASPサービスなので、導入・運用に負荷がかからない。
  • データの転送・閲覧回数や転送容量、ユーザ数に関係なく、定額で利用できる(保存容量で定額課金)。
  • タブレット端末からワンクリックで動画を簡単に閲覧できる。
  • データが端末に残らないように設定できる。
  • アクセス場所や端末を制限できる。
  • 使い勝手が良く、該当ページの直リンクが利用できる。
その上で、Daigasグループにおける導入実績があるので、セキュリティポリシなどの要件確認がスムーズであること。大阪ガスビジネスクリエイトはGigaCCの販売代理店なので、安心してサポートを任せることができることなども考慮して、導入を決めました。
 

― 利用者の反応はいかがでしょうか。

杉山氏:
 アンケートなどを見るとサービスチェーン様からはとても好評です。まだ活用を開始したばかりで、具体的な話ができる情報はありませんが、社内でも大きな手応えを感じています。

 


― 導入時に苦労したことなどがあれば教えてください。


荒関氏:
 動画を活用することや、動画の作成に関する不安を訴える声もありましたが、本プロジェクトに携わったメンバーの頑張りもあり、そのような声を払拭してカットオーバーすることができました。

また、機密情報となる動画をクラウドで管理するのには、グループのさまざまな手続きを踏む必要がありましたが、大阪ガスビジネスクリエイトが柔軟かつ迅速に行動してくれたことで、スムーズに手続きができました。
 

― 日本ワムネットへの要望や期待があれば教えてください。

荒関氏:
 URLを送るだけで簡単かつスムーズに情報を提供・共有できるので、今後、動画以外の情報や、チャット上などでのやり取りなどにも応用していければと考えています。ただし、機密情報や個人情報を取り扱うことになると、より慎重なセキュリティ対策が必要となりますので、そのため、日本ワムネットにも相談しながら検討を進めていきたいと考えています。



    企業概要
    社名: 大阪ガスマーケティング株式会社
    代表者: 代表取締役 植田 信一
    本社所在地: 大阪府大阪市中央区平野町4-1-2
    設立: 2019年10月1日
    資本金: 1億円
    従業員数: 990名(2020年4月時点、嘱託含む)
    事業概要: 家庭用お客さま向けガス・電気の販売および保守等、機器販売事業、リフォーム事業

※ 大阪ガスマーケティングのホームページ
※ 取材日時 2022年4月